ここ2年、グランドピアノのあるライブハウスがいくつか閉まってしまった。

恵比寿天窓SWITCH.
天井が高かったので、ピアノがよく響いた。
ピアノのコンディションにも気を使っていて、鳴りが良かった。
オオバコだったので、ワンマンでたくさんお世話になった。

北参道ストロボカフェ
年に一度、ピアノを客席に降ろし、お客様がピアノを囲むセンターピアノの企画があった。
アーティストの背中の席が人気だった。
お客様との距離が非常に近くなり、アーティストも良い経験になった。

四谷天窓confort.
小さいのでリヴァービーではなかったが、なぜだか独特の響きだった。
窓から外が見え解放感があった。ピアノに座るとちょうど窓に向かうことになる。
ひどい雷の夜、窓から稲妻が見えたのだろう、歌の途中で『ヒエッ』と叫んだアーティストがいる。
Meiだ。
認めない…というより気づいていないのだろうが、ちゃんと録音が残っている。


Parade Artistには、ピアノ弾き語りのアーティストが多く所属している。
グランドのハコが少なくなり、困って色々なライブハウスを探したが上手くいかなかった。
開き直ったわけではないが『エレクトリックピアノでも上手く弾かなければならない』とアーティストに諭した。
『当たり前ぢゃん なに言っちゃってんの?』と言われた…。


黒木ちひろは、エレピだろうがアコピだろうが、全く関係なく結果を出す。
オルガンタッチのエレピでも、同じような音を出す。これには驚く。
『アコピかエレピかは お客様には関係ないから…』と思っているような気がする。
器用というより、繊細なのだと思う。

MoeKoは、エレピが不得意だ。音やタッチの問題ではない。
お客様の正面に向くことが得意ではないのだろう。
証拠に、エレピの場合、ライブの2/3は目をつぶってしまっている。
もったいない。

ほとけぶちあみは、エレピを実に上手く使う。
ちゃんとエレピの特徴を活かす。
音色を変えたり、タッチを変えたり、音楽にピアノを合わせてくる。
このタイプのアーティストは、ほとんどいない。


本来は、エレピはアコピの代替品ではなく、別の楽器だ。
それを分かっているアーティストは強い。
対応は人によってさまざまだが、要は環境はどうであれ、良いライブをすることが仕事なのだ。
エレピは様々な音が出る。これは考え方によっては大きなアドバンテージだ。
ピアノに向かって迷いもせず『Piano-1』の音色を選ぶのではなく、いろいろ試せば良と思う。
もしかすると、曲の表情が変わるかもしれない。エレピが楽しくなるかもしれない。
そうなれば、お客様も楽しめるだろう。

そのうえで、『グランドも良いなぁ』と思ってほしい。


よく出演させていただく グランドピアノがあるライブハウス
■gee-ge. http://gee-ge.net/
■Yokohama mint hall https://minthall.com/
■真昼の月・夜の太陽 http://mahiru-yoru.com/

■LOFT HEAVEN https://www.loft-prj.co.jp/heaven/
■Miiya Café http://www.miiya-cafe.com/
■GRAPES https://kitasando.grapes.tokyo/