2020年12月、会社を辞める事になった時、新人アーティストの開発育成に特化したマネージメントオフィスをやろうと思った。
いろいろ計画を練ったのだが、すべてがコロナの餌食になった。
困ったな…と思ったが、スタートアップの期間だと思う事にした。

昔、珍しくミュージカルに関わった事がある。主演男優はK氏だった。
K氏は本番5時間前に小屋にやってきて、ストレッチや発声や、挙句の果てに全シーンを独りでさらっていく。
2回本番だとすると、たっぷり3回は歌って踊ることになる。
「ボク、アップに時間かかっちゃうんです スミマセン」と、努力を全く厭わない。
かと思えば、リハもろくにやらずに本番ギリギリまでカツ丼食って、いきなりステージに上がるアーティストもいる。
どちらでも良い。
要するにステージが良ければ、客席が沸けば良いのだ。

この二年、法人化を見送り、出来る事を淡々とこなしてきた。
まだ視界はクリアではないが、身体は十分暖まった。
世情だどうだろうが、そろそろ動き出そう。
小さなマネージメントオフィスだし、派手な動きは出来ない。
しかし、8人の素晴らしい才能を見つけてある。
十分すぎるスタートだ。